初々うひうひ)” の例文
自分達の新しい出発を占つて貰つたやうな気がして、ゆき子は比嘉の初々うひうひしい態度に、好意と尊敬を持つた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
涙を誘ふ初々うひうひしさと、邪念のない美しさを、末期の苦惱も奪ふ由はなかつたのです。
初々うひうひしい薔薇色の舞踏服、品好く頸へかけた水色のリボン、それから濃い髪に匂つてゐるたつた一輪の薔薇の花——実際その夜の明子の姿は、この長い辮髪べんぱつを垂れた支那の大官の眼を驚かすべく
舞踏会 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)