列伍れつご)” の例文
そのあいだを、泥か人間か分らないような兵や担夫たんぷが、列伍れつごなく、駈けたり物を担いだり、切れた草鞋わらじを持ったりして歩いてゆく。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
列伍れつごは乱れ、兵士はたがいにおどりかかって、突きあったり、斬りあったり、噛みあったり、食いあったりした。
武士が列伍れつごを組めば、忽ち、火は空を焦がし、矢弾やだまは地をゆるがすのが、この頃のあたりまえだったので、子どもらの眼にも、それはまたなく綺麗に見えたものであろう。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
還幸の途々は、伯耆ほうきいらい、ここまでも、たいへんな列伍れつごだった。