切目きりめ)” の例文
「昨夜じゅう、今か今かと待っていたが、住吉からは、何の連絡も来なかったな。——ついに切目きりめ法橋ほっきょうの舟軍は、いまだに影を見せぬものか」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
竹がまだ野に生きているうちに少し切目きりめなんか入れましたり、痛めたりしまして、十分に育たないように片っ方をそういうように痛める、右なら右、左なら左の片方をそうしたのをかたうきす
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
今結びし藁鞋わらぢひも切目きりめすがすがしく
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
切目きりめ宿しゅく別当べっとうの御別院にて、別当定遍じょうへんどのの代表と称せられる法橋殿ほっきょうどのにお目にかかり、御当家よりの要旨を申し入れ、まずは懇談だけはとげて、たちかえりましてござりまする
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)