分去わかさ)” の例文
ことに昔の本陣だつたままの家作りの牡丹屋や桝形ますがたの茶屋の古びた美しさや、その村はづれの分去わかされのあたりの山々の眺めなどをなつかしんで
ふるさとびと (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
おえふがまだ二十はたちかそこいらで、もう夫と離別し、幼兒をひとりかかへて、生みの親たちと一しよに住むことになつた分去わかされの村は、その頃、みるかげもない寒村になつてゐた。
ふるさとびと (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
そこのあたりが、この村を印象ぶかいものにさせてゐる、「分去わかされ」である。
ふるさとびと (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)