処嫌ところきら)” の例文
鍛冶倉は縄を口でしごいて、処嫌ところきらわず金蔵を縛ろうとする。縛られまいとして、一生懸命の力は金蔵といえどもあなどるべからず。
始めとして到処いたるところ西洋まがひの建築物とペンキ塗の看板痩せ衰へた並樹なみきさては処嫌ところきらはず無遠慮に突立つてゐる電信柱と又目まぐるしい電線の網目の為めに
路地 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
そのせいか今だに処嫌ところきらわず西洋料理の通を振廻し、二言目には英語の会話を鼻にかけるハイカラであるが、酒もさしては呑まず、遊びも大一座で景気よく騒ぐよりは
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「そのほか、身体中、処嫌ところきらわず打創うちきずかすり創だが、それらは大したことはない」
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)