処刑場しおきば)” の例文
旧字:處刑場
それが、なかなかり込んでいるんです。あの甲州街道の、駒木野のお関所の少し北のところに、お処刑場しおきばのあとがあるんでございます。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「よい覚悟だ。——其方ども五人の賊党は、明後日、千住のお処刑場しおきばにおいて、刑に行われる事に相成ったから、左様心得るがよかろう」
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三年前、少しばかりの油断から、その方の縄に掛ったが、鈴ヶ森の処刑場しおきばに引出されるという間際になって、仲間のものの助勢で、首尾よく縄抜けをし、上方かみがたへ行ってしばらく時節を待った。
あいつらはあの処刑場しおきば円壟まるづかで何をするのだ。
「そうなると、お処刑場しおきばもいらなくなるな、おいらの仕事も上ったり、食うことができなくなる」
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
もう処刑場しおきばへ連れて来られましたわ。
百姓を斬って、こつぱら処刑場しおきばの中へ逃げ込んだ神尾主膳は、それと知って思わずギョッとしました。こういう際であるけれども、処刑場ときては、いい気持がしなかったらしい。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)