其麼そんな)” の例文
くりかえし其麼そんな事を考えているうちに、やっと目的のH飛行場の白円が、薄く下を流れる雲の間から見え出した。エンジン・スイッチを切って得意な滑空。
旅客機事件 (新字新仮名) / 大庭武年(著)
「なぜ兄さんそのように恐しい事を仰言います。あの方は決して其麼そんなお方じゃない……」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
『お雪坊や、其麼そんなに鼻にまでつけると、鼻にも毛が生えるだあ。』
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
③ 其麼そんな工合故、礼装がなくて、儀式のときは和服をきました。
洋服と和服 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「何だい——」池内は不審気に「其麼そんな事、君がちゃアんと見ていればいいじゃないか?」
旅客機事件 (新字新仮名) / 大庭武年(著)
其麼そんな大仕掛な芝居だから、準備に許りも十ヶ月かかるさうだ。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「若殿様、なぜに其麼そんな情ないことを……」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
其麼そんなケチなもんぢやない。第一劇場からして違ふよ。』
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)