兵糧ひょうりょう)” の例文
露西亜の兵隊が何万満洲へ繰出くりだすうちには、日本ではこれだけ繰出せるとか、あるいは大砲は何門あるとか、兵糧ひょうりょうはどのくらいあるとか
中味と形式 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
藩からは一人あて、一日米一升の兵糧ひょうりょう割り当が下るだけだった。弾も、刀も、草鞋わらじまでが、自弁だ。それでも、すすんで集る者が多く、兵気は、さかんなものだった。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
或る時八幡太郎ここを通りしに、敵味方てきみかたいずれの兵糧ひょうりょうにや、かゆを多く置きてあるを見て、これはた粥かといいしより村の名となる。似田貝の村の外を流るる小川を鳴川なるかわという。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)