六樹園ろくじゅえん)” の例文
鶴子は進が去年の暮あたりからある婦人雑誌に連載し出した小説を見た時、ふと六樹園ろくじゅえんの『飛弾匠物語ひだのたくみものがたり』の事を思出して、娘の時分源氏の講義を聞きに行った国学者の先生が
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
また六樹園ろくじゅえんが狂文『吾嬬あずまなまり』に鶯谷のさくら会と題する一文ありて、勾欄こうらんの前なる桜の咲きみだれたるが今日の風にやや散りそむといへど、今はそれかとおぼしき桜の古木もさぐるによしなし。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)