公重きんしげ)” の例文
以上が——公重きんしげの密告の全貌であるが、なお、公重の口うらには、もっとさしせまった目前の何かがいわれつくしていない風だった。
竹林院ノ中納言公重きんしげは、そんな閑寛かんかんたるふうではなかった。——ゆうべ思い余って一睡もとれなかったといっている。
と、大それた陰謀を持ち、世間もしらぬまに、密事も着々すすんでいる——と、公重きんしげはいうのであった。
武士の乱暴沙汰もきわまれりというものである。こんなふうでは、上皇の御外出もめったにできぬと、院の西園寺大納言公重きんしげは、そのご幕府へきびしく注意を求めていた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、その中にいた西園寺中納言公重きんしげ公宗きんむねを知ると、帝は後ろの妃たちへ
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
竹林院ノ大納言公重きんしげ
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)