公爵夫人こうしゃくふじん)” の例文
きっかり八時に、わたしはフロックコートを一着におよび、頭のかみを小高くり上げて、公爵夫人こうしゃくふじん住家すみかなる傍屋はなれへ入って行った。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
その手紙は、いかにも無学らしい文章に加えるにきたならしい筆跡ひっせきをもって書いてあって、要するに公爵夫人こうしゃくふじんがわたしの母に庇護ひごしてもらいたいむねを願い出たものだった。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
彼女かのじょ公爵夫人こうしゃくふじん一緒いっしょ辻馬車つじばしゃに乗って、どこかへ出かけるところであった。そのかわりわたしは、ルーシンに会った。もっともかれは、ろくろくわたしに挨拶あいさつもしなかったが。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)