公家衆くげしゅう)” の例文
あの公家衆くげしゅうの御通行は四月の八日でしたから、まだこんな改革のお達しの出ない前です。あの時は大湫おおくて泊まりで、助郷人足六百人の備えを
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そこで大江広元とか、中原親能とか、三善康信とかいうような、立派な京都の公家衆くげしゅうまでが、自ら身をこの家人けにんなる賤民の群に投じて、幕府の政治に参与する。
お百姓や車夫たちが用いている普通のものでありますが、仕事が大変丁寧な上に、特に形のひんがよく、さながら公家衆くげしゅうが用いたものではないかとさえ見間違えるほどであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
昔は公家衆くげしゅうなど生活難から歌道の秘事という事を唱え、伝授に托して金を捲き上げた。
都の公家衆くげしゅうに奉公したもの、縁あってこの夜叉王と女夫めおとになり、あずまへ流れ下ったが、育ちが育ちとて気位高く、職人風情に連れ添うて、一生むなしく朽ち果つるを悔みながらに世を終った。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)