僻邑へきゆう)” の例文
いかに刀剣に対して眼のない溺愛できあいの大膳亮とはいえ、もし彼が、この北境僻邑へきゆうにすら今その名を轟かせている江戸南町奉行の大岡越前が
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
世に変人奇物とて、ことさらに山村僻邑へきゆうにおり世の交際を避くる者あり。これを隠者と名づく。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
たとえば今、日本大政府の諸省に用うる十露盤も、寒村僻邑へきゆうの小店に用うる十露盤も、乗除の声に異同なきは、上下の勘定法に関所なきものなり。帳合の法もかくありたきことと余輩の願う所なり。
小学教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)