僧侶ぼうず)” の例文
かくも僕はそういう少年でした。父の剛蔵はこのことを大変苦にして、僕のことを坊頭臭ぼうずくさい子だと数々しばしば小言こごとを言い、僧侶ぼうずなら寺へやっしまうなど怒鳴ったこともあります。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
物を供えて大切だいじにかけたが。それはまだしも処によっては。こいつに悪魔がいたというので。その頃お医者と裁判官の。役目をしていた僧侶ぼうず巫女みこが。見付け次第の指さし次第に。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ところが、その墓石を建てた晩に——死んだ人の親友に、妙善みょうぜんと云う僧侶ぼうずがある、これは別の天総寺てんそうじという寺に、住職をしていました——その天総寺の門前へ来て、「妙善妙善。」と呼ぶ声がする。
□本居士 (新字新仮名) / 本田親二(著)