傲慢不遜ごうまんふそん)” の例文
(第三)まもなく内匠頭の親友である戸沢下総守しもうさのかみと小笠原長門守ながとのかみが浅野邸へやってきて、上野介は傲慢不遜ごうまんふそんな男であるから
本所松坂町 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
人が来ようが来まいが、こうなった上は一匹残らずこの傲慢不遜ごうまんふそんな猿どもを退治てやらなければ、虫がおさまらないと思っているのであります。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その時、傲慢不遜ごうまんふそんの大月玄蕃は、片手に木剣を引ッさげたまま、鳴りを鎮めた福知山方の桟敷に向って真ッ赤な大口を開け、矢来の果てまで届く大音声で
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれは先年団十郎が大阪梅田の劇場に乗込んだときに、先輩の団十郎に対してすこぶる傲慢不遜ごうまんふそんの態度があったのみか、舞台の上で団十郎と顔をあわせることを拒んだ。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
禰衡ねいこうは、にんやりと唇を大きくむすんで、傲慢不遜ごうまんふそんな鼻の穴を、すこし仰向けながら、鼻腔で息をした後
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それでなくても平常から汝はこの張飛から見ると、傲慢不遜ごうまんふそんで気にくわぬところだ。覚悟をしちまえ
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)