傅人もりびと)” の例文
「城内から、お市の方様、また小さい和子様たち、お幾人いくたりも背にしばって、浅井家の傅人もりびと三、四名の衆とごいっしょに……」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黒田家から傅人もりびととして井口兵助、大野九郎左衛門などを付けてよこしてあるが、竹中家としてもほとんど主人半兵衛の嫡子ちゃくし同様に待遇たいぐうしていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おひかえなさいとどろき、敵をあなどることはすでに亡兆ぼうちょうでござるぞ。伊那丸は有名なる信玄しんげんの孫、兵法に精通せいつう、つきしたがう傅人もりびともみな稀代きたいの勇士ときく。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いかにも、伊那丸さまのお傅人もりびと、木隠龍太郎という者でござるが、もしや、貴殿きでんは、このなかへ逃げこんだ血まみれなる法師武者ほうしむしゃのすがたをお見かけではなかったか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さては伊那丸君いなまるぎみのお傅人もりびとでしたか。今宵こよい、町へわたったとき、さわがしいおうわさは聞いていましたが、よもやあなたがたとは知らず、さきほどからのしつれい、いくえにもごかんべんを
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)