俵町たわらまち)” の例文
十一の時まで浅草俵町たわらまちの質屋の赤煉瓦あかれんがと、屑屋くずやの横窓との間の狭い路地を入った突当りの貧乏長家に育って、納豆を食い、水を飲み、夜はお稲荷いなりさんの声を聞いて
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
俵町たわらまちの往来の土が裂けた話——とそれからそれへ話がはずみましたが、やがて一人の教員が申しますには、中町なかまちとかの備後屋びんごやと云う酒屋の女房は、一旦はりの下敷になって
疑惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)