保古はうこ)” の例文
既にしば/\云つた如くに、わたくしは棭斎の詳伝の有無いうむを知らない。しかし見聞けんもんの限を以てすれば、其妻であつた狩谷保古はうこの第三女は生歿の年月が不詳であるらしい。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わたくしは既に云つたやうに、棭斎は此より先に実家高橋氏を去つて保古はうこが湯島の店津軽屋に来てをり、此時家督相続をして保古の称三右衛門をいだかとおもふ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わたくしは此に拠つて棭斎の妻が狩谷保古はうこの第三女であつたことを知る。しかし其生歿を明にすることを得ない。天竜寺には棭斎の墓があつて、妻狩谷氏の墓は無い。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)