係合かかりあ)” の例文
まさかに親殺しではあるまいが、今戸の中田屋の一件がまだ解決していないので、あるいはその係合かかりあいではないかという噂であった。
廿九日の牡丹餅 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ちよいと見たつてそんな事を為さうな風ぢやありませんか。お前さんなんぞは堅人かたじんだから可いけれど、本当にあんな者に係合かかりあひでもしたら大変ですよ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
田舎へかせぎにいっている兄の傍には、暫く係合かかりあっていた商売人くろうとあがりの女が未だに附絡つきまとっていたり、あによめが三つになる子供と一緒に、東京にあるその実家へ引取られていたりした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
係合かかりあいを恐れて出合わないのである。
三甚内 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あんな者に係合かかりあつてゐた日には、末始終どんな事になるか知れやしない、それが私は苦労でね。内のひともあのくらゐ利巧で居ながらどうしたと云ふのでせう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)