“侍小路”の読み方と例文
読み方割合
さむらいこうじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そしてこんどは伊丹の侍小路さむらいこうじの古びた邸へ彼を導いた。そこは八弥太の住居で、彼の主人の伊丹わたるが来て待っていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一時ひとしきりは魔の所有もの寂寞ひっそりする、草深町くさぶかまちは静岡の侍小路さむらいこうじを、カラカラといて通る、一台、つややかなほろに、夜上りの澄渡った富士を透かして、燃立つばかりの鳥毛の蹴込けこみ、友染のせなか当てした
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
足軽三十人持の小頭こがしらといっては、まだその足軽よりすこししなくらいの生活でしかない。清洲きよす侍小路さむらいこうじの裏に、若い夫婦は、初めてささやかな家と鍋釜を持った。
日本名婦伝:太閤夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)