伍々ごご)” の例文
お由さんがめんどうをみて、子供たちも、三々伍々ごご洗耳房を出て行った。お由さんは、一人ひとりの子供に、いい聞かせていた。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
参々伍々ごごうずくまって昼食をしたため、中には女だてらに酔って浮かれている者もあった。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
朝の一しきり、街道は雑沓ざっとうしていた。荷駄、かご、飛脚以外に、近頃は、沿海警備の各藩の兵が、鉄砲を肩に、羅紗股引らしゃももひき草鞋わらじばきで、どこへ行っても、三々伍々ごごと歩いている。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
異様な風体の武士たちが三々伍々ごごのがれるがごとく人目をはばかって町を離れ、西南一の宿の加島をさして、霜にしめった道をいそいでいた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)