他所々々よそ/\)” の例文
しかも、今はこんなにもへだたり、こんなにも他所々々よそ/\しいとは! 彼が私のところへ來て話しかけようなどとは思ひもよらない程離れ/″\になつてゐるのである。
それをお転婆な風で手助けする娘が、どうかした拍子に急にその手伝を他所々々よそ/\しくしたりする事がある。わたしが不審がつて四辺あたりを見る。すると遠くの砂丘の上などに、ちやんと観察者がゐるのだ。
愚かな父 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
「私と許婚の披露があつてからも、菊次郎さんの遊びが止まなかつたので、私もつい白い齒も見せず、親しい氣持になれなかつたので、だん/\他所々々よそ/\しくなるばかり、それからの菊次郎さんの放埒は本當に目に餘りました」