仕付しつ)” の例文
耕地整理こうちせいりになっているところがやっぱり旱害かんがいいねほとんど仕付しつからなかったらしく赤いみじかい雑草ざっそうえておまけに一ぱいにひびわれていた。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
するとみちそばではあるが、川の方へ「なだれ」になっているところ一体にくわ仕付しつけてあるそのはるかに下の方の低いところで、いずれも十三四という女の児が
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
商売女には眼もくれなかった。キャフェでは給仕男ギャルソンたちが眺めのいい窓の卓子テーブルへ集まってゆっくり晩飯を食べていた。当番の給仕男が同僚たちに客に対すると同様に仕付しつけよく給仕していた。
売春婦リゼット (新字新仮名) / 岡本かの子(著)