人交ひとま)” の例文
人交ひとまぜなく直接に会うことにしている——隠し目付の藪田助八と、きょうも、会っていた。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二階の広間で御馳走ごちそうをして、深川でもと芸者をしていたという二人の血びきのおたけさんという女を呼んで、人交ひとまぜしないで御酒を飲んでいましたが、やがておじいさんが太鼓たいこをたたき
人交ひとまぜもせず、二人は戦った。交戟こうげき三十余合、曹洪はかなわじとばかり引きしりぞく。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人交ひとまぜもせずに、一打ちとなったやりやりは、閃光せんこうするどく、上々下々、秘練ひれんを戦わせていたが、たちまち、朱柄あかえやりさきにかかって、猪子伴作いのこばんさく田楽刺でんがくざしとなって、草むらのなかへ投げとばされた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この二者の戦闘は、余り烈しくて、人交ひとまぜをゆるさなかった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)