交詢社こうじゅんしゃ)” の例文
しかし交際と称する浮世の義理は自分にも炎天にフロックコオトをつけさせ帝国ホテルや精養軒や交詢社こうじゅんしゃの階段を昇降させた。
銀座 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これは恐らく交詢社こうじゅんしゃあたりの文芸講演で聞いて来たのだろう。元治元年生れの寺子屋育ち、その後変則英語を少しかじった丈けだそうだから、所謂シェキスピールなぞは読んでいる筈がない。
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
でこの間交詢社こうじゅんしゃ(福沢先生の首唱になれる社交倶楽部)に行った時
交詢社こうじゅんしゃの広間に行くと、希臘風ギリシヤふうの人物を描いた「神の森ボアサクレエ」の壁画のもとに、いつもんの紳士やかわのフロックコオトを着た紳士が幾組となく対座して、囲碁仙集いごせんしゅうをやっている。
銀座 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そこで三田側の諸先輩一同交詢社こうじゅんしゃにて大会議を開き森鴎外先生にも内相談ないそうだんありしやうに覚え候が、義塾の専任となりてもろもろの画策をする文学家を選び候処夏目漱石なつめそうせき氏か小生をといふ事に相定候由
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)