二俣尾ふたまたお)” の例文
どうあろうと、形だけは、夫婦でありながら、かたき以上に、のろいあっているこの男女ふたりが、とぼとぼと、二俣尾ふたまたおから青梅宿おうめじゅくをぬけて通ったのは、あくる日だった。
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中庸ちゅうよう地相ちそうくるわをひかえ、梅沢うめざわのすそに出丸でまるをきずき、大丹波おおたんばには望楼ぼうろうをおき、多摩たま長流ちょうりゅうほりとして、沢井さわい二俣尾ふたまたお木戸きどをそなえれば、武蔵野原むさしのはらつる兵もめったに落とすことはできない
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)