乗放のりはな)” の例文
その谿谷けいこくをもみじの中へ入って行く、のこンの桔梗と、うらさびしい刈萱かるかやのような、二人の姿の、窓あかりに、暗くせまったのを見つつ、乗放のりはなしてりた、おなじ処に、しばらく、とぼんとしゃがんでいた。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)