久安きゅうあん)” の例文
今から七百六十年も前の都は、たとい王城の地といっても、今の人たちの想像以上に寂しいものであったらしい。ことにこの戊辰つちのえたつ久安きゅうあん四年には、禁裏に火のわざわいがあった。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あらためて註するまでもないが、源の俊顕としあきらの歿後は和歌の道もだんだん衰えてきたのを、再び昔の盛りにかえそうと努めたのは、この忠通卿である。久安きゅうあん百首はこの時代の産物で、男には俊成しゅんぜいがある。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)