世帯崩しょたいくず)” の例文
旧字:世帶崩
年は二十ちょっとぐらいだろうが、世帯崩しょたいくずれのような、ひどくけてみえる女が注文を聞きに来て、おや、指定さんのにいさんじゃないの、と驚いたように云った。
落葉の隣り (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
世帯崩しょたいくずしの年増女としまおんなを勝手元に働かせて、独身で暮している川西のために、時々上さんのるような家事向の用事に、器用ではないが、しかし活溌かっぱつな働き振を見せていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
後ろにつつましく控えたのは、二十二三の内儀、白粉おしろいも紅も抜きにして少し世帯崩しょたいくずれのした、——若くて派手ではありませんが、さすがの平次もしばらく見惚みとれたほどの美しい女でした。