与三よさ)” の例文
外に立っている男は、唐桟とうざんの襟のついた半纏はんてんを着て、玄冶店げんやだな与三よさもどきに、手拭で頬かむりをしたがんりきの百蔵であります。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そして緋毛氈ひもうせんの上へ的台まとうだいのかわりになってあぐらをくみ、なにか与三よさもどきに暴言を吐いておりますと
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
毘沙門の小芝居で切ラレ与三よさを見たことを覚えているが、誰がやったのか役者の名は忘れた。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
切られ与三よさの、直侍なおざむらい
たちばな屋とか、よこばな屋とかの切られ与三よさといったような芝居気が身についている男なのです。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
遊民というのは、玄冶店げんやだなの芝居に出てくるような種類の人。赤間の源左衛門もいれば、切られないの与三よさもいる。お富を一段上へ行ったようなお角がいないのが物足りない。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
がんりきの百蔵は、唐桟とうざん半纏はんてんかなにかで、玄冶店げんやだな与三よさもどきに、ちょっと気取って
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)