トップ
>
不為合
>
ふしあわ
ふりがな文庫
“
不為合
(
ふしあわ
)” の例文
そのうちその
不為合
(
ふしあわ
)
せな御方は、御自分の
本意
(
ほい
)
からでもなく、ときおり殿をお通わせになさっていられるらしい御様子だった。
ほととぎす
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
近来
不為合
(
ふしあわ
)
せな事が続きまして、この老人が大層心寂しく存じている様子でして、名高い学者の方に泊ってお貰い申したら、何か心得になるような事が伺われるかも知れないと申すのです。
蛇
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そう口では云いながら、彼は胸のうちで此の人は矢っ張誰にも理解して貰えずにきっと
不為合
(
ふしあわ
)
せなのかも知れないと思った。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
自分なんぞの想像以上に
不為合
(
ふしあわ
)
せであられたらしいお身の上には、何かと胸を打たれるような事のみ多いのだった。
ほととぎす
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
云って見れば、それが現在の彼女の、
不為合
(
ふしあわ
)
せなりに、一先ず
落
(
お
)
ち
著
(
つ
)
くところに落ち著いているような日々を
脅
(
おびや
)
かそうとしているのが漠然と感ぜられ出していたのだ。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
▼ もっと見る
それにまた、世間の人々が、私のようにこんなに
不為合
(
ふしあわ
)
せになったのは、あまりにも女として思い上っていたためであろうかどうか、その
例
(
ためし
)
にもするが好いと思うのだ。
かげろうの日記
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
素振りなどがいかにも娘々しているのを心に
蘇
(
よみがえ
)
らせているうちに、自分などの知っているかぎりだけでも随分
不為合
(
ふしあわ
)
せな目にばかり逢って来たらしいのに、いくら勝気だとはいえ
楡の家
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
一度自分の妻がいかにも
不為合
(
ふしあわ
)
せそうだと思い込んでからは、そうと彼に思い込ませた現在の
儘
(
まま
)
の別居生活が続いているかぎりは、その考えが容易に彼を立ち去りそうもなかった。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
大へん私は
不為合
(
ふしあわ
)
せでございました。昔から苦しみばかりの多い身でございましたが、この頃はほんとうにもう生きている空もない程でございます。どうぞ思い切って死なせて、
菩提
(
ぼだい
)
を
かげろうの日記
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
為
常用漢字
中学
部首:⽕
9画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“不為”で始まる語句
不為
不為態
不為故