下枝したえ)” の例文
やがて、柿の葉は黄色くなり、下枝したえの小さな柿や、半分われた柿なども、すっかり熟して、小鳥にたべられてしまい、黄色い葉はだんだんちっていきました。
山の別荘の少年 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
五五あら玉の月日はやくゆきて、五六下枝したえ茱萸ぐみ色づき、垣根の五七野ら菊にほひやかに、九月ながつきにもなりぬ。
そうかと思うと、木立の間からだしぬけにそのおくにあるヴィラのあかりが下枝したえごしに私たちの肩に落ちて来て、知らずらずに身をすり寄せていた私たちを思わず離れさせた。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)