下司根性げすこんじょう)” の例文
あの秀麗しゅうれいなる神州美しんしゅうび象徴しょうちょう富士ふじ裾野すそのに生まれながら、どうしておまえはそんなきたない下司根性げすこんじょうをもっているんだろう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手も無く彼等の下司根性げすこんじょうから出でた空宣伝に乗ってしまっている、斯くて、今日一般が定義と検討とを別にして純文芸或いは大衆文芸の観念を丸呑みにしているのである。
余は大衆作家にあらず (新字新仮名) / 中里介山(著)
ただもういい心持でブンなぐって、俺はこれほど強いぞ、といわぬばかりの下司根性げすこんじょう、見てはいられぬ——市川宗家の名優ともあるべき者が、こんな、くだらない弁慶を見せられるか
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
とって諸士の範たる武士が見下げ果てたる下司根性げすこんじょう、恥かしいとは思わぬか!
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よろこんでおやとわれ申したわけでございますが、なんのこった、その約束がちがうじゃねえか……ッてなところがその、下司根性げすこんじょうと申しやすか、こちとらを始め、ここにいるみんなが皆の不服なんで
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)