上地じやうち)” の例文
五百石を上地じやうちし、別當は還俗げんぞくして神主になり、名も前田道臣みちおみと改め、髮の伸びるまでを附髷つけまげにして、細身の大小を差し、しきりに女を買つて歩きなぞした。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
東の坊に中の坊に梅の坊に西の坊に北の坊に知足ちそく坊の六坊の中で、西、北、知足の三坊は疾くに廢絶して、其の跡は竹藪になつてゐるが、東、中、梅の三坊だけが上地じやうちの時まで殘つて
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
五百石を上地じやうちした公債證書を千代松が預つて、道臣の家の不時の物入りを辨ずることになつてゐるので、綿密で周到な千代松は、一厘一毛までも誤りのないやうにしようとするのである。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)