万紅ばんこう)” の例文
この間中あいだじゅうは見るからに、万紅ばんこうを大地に吹いて、吹かれたるものの地に届かざるうちに、こずえから後を追うて落ちて来た。忙がしい吹雪ふぶきはいつか尽きて、今は残る樹頭に嵐もようやくおさまった。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)