万屋よろづや)” の例文
旧字:萬屋
こゝ湯ノ平といふところは気に入つた、いかにも山の湯の町らしい、石だゝみ、宿屋、万屋よろづや、湯坪、料理屋、等々々、おもしろいね。
行乞記:01 (一) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
「十月朔日。晴。朝六時石原御門前より川崎屋船に乗組、南新堀万屋よろづや正兵衛方へ一先ひとまづ落著、黄昏和歌山蒸汽明光丸へ乗組。船賃九両茶代金二百疋。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
それは毎晩日が暮れると、ぶらりうちを出て祇園町をぶらつくのだ。意気な三味のが雨と降るなかを、セルロイド製のやうな頭をり/\三条へ出て、橋詰の万屋よろづやで一寸小休こやすみする。
万屋よろづやに吾を訪ひまし物語ものがたるよりえ夫人ふじん長塚節ながつかたかしのこと
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)