一頭いっとう)” の例文
丁度同時に硯友社けんゆうしゃの『我楽多文庫がらくたぶんこ』が創刊された。紅葉こうようさざなみ思案しあんけんを競う中にも美妙の「情詩人」が一頭いっとうぬきんでて評判となった。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
どの道、春廼舎の『書生気質』や硯友社連の諸作と比べて『浮雲』が一頭いっとうぬきんずる新興文芸の第一の曙光しょこうであるは争う事は出来ない。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
とりわけ自己を批判するに極めて苛酷かこくな人の癖として十目の見る処『浮雲』が文章としてもまた当時の諸作に一頭いっとうぬきんずるにもかかわらず
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)