一皮ひとかわ)” の例文
外界の刺激に応じて過敏なまでに満干みちひのできる葉子の感情は今まで浸っていた痛烈な動乱から一皮ひとかわ一皮平調にかえって、果てはその底に
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
帰って縁に上って、手拭で悉皆体を拭いて、尚暫くは縁に真裸で立って居る。全く一皮ひとかわいだ様で、が体のあたりばかり涼しい気がそよぐ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
享楽しているのであったが、一皮ひとかわいた京洛みやこの内部には、こうした、えと飢えとの寄り合い家族と、家なき浮浪人が、空寺あきでら、神社、辻堂、石垣
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やれお気の毒な、いざ一皮ひとかわむき給え」