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一婦人
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いっぷじん
が、おれは男だ、おれは男だ、
一婦人のために心を労していつまで泣こうかと思い返して、
女々しい心を捨ててしきりに
男児がって諦めてしまった。
ここにおかしきは妾と室を共にせる眉目
麗しき
一婦人あり、天性
賤しからずして、
頻りに読書習字の教えを求むるままに、妾もその志に
愛でて
何角教え導きけるに、彼はいよいよ妾を
敬い
その
後芳野へお移りになって外国航海と相成りしに
後髪をひかれる気はいたすものゝ、堂々たる軍人にして
一婦人の為に
肘をひかるゝは同僚の手前も面目なしとあって、綺麗に
別盃をお汲みなされ