一婦人いっぷじん)” の例文
が、おれは男だ、おれは男だ、一婦人いっぷじんのために心を労していつまで泣こうかと思い返して、女々めめしい心を捨ててしきりに男児おとこがって諦めてしまった。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ここにおかしきは妾と室を共にせる眉目うるわしき一婦人いっぷじんあり、天性いやしからずして、しきりに読書習字の教えを求むるままに、妾もその志にでて何角なにかと教え導きけるに、彼はいよいよ妾をうやま
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
その芳野へお移りになって外国航海と相成りしに後髪うしろがみをひかれる気はいたすものゝ、堂々たる軍人にして一婦人いっぷじんの為にひじをひかるゝは同僚の手前も面目なしとあって、綺麗に別盃べっぱいをお汲みなされ