“わたらせ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
渡良瀬71.4%
渡瀬28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
相老あいおいで足尾線に乗り換え、原向はらむこうで下車したのは午後四時近くであった。渡良瀬わたらせ川が少し増水して橋が流れ、近道は通れないとのことに本道を歩いて原に着いた。
皇海山紀行 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
そこからは利根とね渡良瀬わたらせの二つの大きな河が合流するさまが手に取るように見える。栗橋の鉄橋の向こうに中田の遊廓の屋根もそれと見える。かれはしばし立ちどまって、別れて来た女のことを思った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
若し夫れ足尾の峯を攀ぢ渡瀬わたらせの流を下るの後は髣髴として「足尾鑛毒問題」なる一個の面影を描くに庶幾ちかからんか、(二月十五日夜佐野町にて木下生)
佐野だより (旧字旧仮名) / 木下尚江(著)
十六夜いざよい日記残月抄』に、間々はままにて、土が心の儘に崩るる所をいう。上野の大真間などもその意なりとあり。げにも渡瀬わたらせ川の高崖にて、躍滝というあたりなどはさる所なり。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
渡瀬わたらせ沿岸なる早川田さかはたの雲龍寺に撞き鳴らす警鐘を合圖に簔笠、糧を包みて集會せるもの二百、三百忽にして五百
佐野だより (旧字旧仮名) / 木下尚江(著)
渡瀬わたらせの板橋を越へ、左手ゆんでなる田中の一林中に彼の雲龍寺の堂棟を眺め、仰で遙かに足尾の高根を望み、湧き出づる萬感の間に一道の理會を試みつゝ急ぎぬ
佐野だより (旧字旧仮名) / 木下尚江(著)