渡良瀬わたらせ)” の例文
栃木県に入ると、足利ではこれをネブト流しといって、工場に働く男も女も、七日の日の夜半に渡良瀬わたらせ川に入って水を浴びた(郷土研究二巻五号)。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
上州の新町にて汽車を下り、藤岡より鬼石にかかり、渡良瀬わたらせ川を渡りて秩父に入るの一路もまた小径にあらざれど、東京よりせんにはあまりに迂遠まわりどおかるべし。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
相老あいおいで足尾線に乗り換え、原向はらむこうで下車したのは午後四時近くであった。渡良瀬わたらせ川が少し増水して橋が流れ、近道は通れないとのことに本道を歩いて原に着いた。
皇海山紀行 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
そこからは利根とね渡良瀬わたらせの二つの大きな河が合流するさまが手に取るように見える。栗橋の鉄橋の向こうに中田の遊廓の屋根もそれと見える。かれはしばし立ちどまって、別れて来た女のことを思った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
これがすなわち渡良瀬わたらせ川である。
渡良瀬川 (新字新仮名) / 大鹿卓(著)