“りょうぶた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
両蓋80.0%
両葢20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女は夫の顔色には頓着とんじゃくなく、七宝しっぽう入りの両蓋りょうぶたの時計をキラリと胸のところで開いた。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
こまやかに刻んだ七子ななこ無惨むざんつぶれてしまった。鎖だけはたしかである。ぐるぐると両蓋りょうぶたふちを巻いて、黄金こがねの光を五分ごぶごとに曲折する真中に、柘榴珠ざくろだまが、へしゃげた蓋のまなこのごとく乗っている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「御蔭で取られた品物がまた戻りましたよ」と云いながら、白縮緬しろちりめん兵児帯へこおびに巻き付けた金鎖をはずして、両葢りょうぶたの金時計を出して見せた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)