“やにくさ”の漢字の書き方と例文
語句割合
脂臭100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
面喰めんくらったあわただしい中にも、忽然として、いつぞのむかし吉原の横町の、ずるずる引摺ひきずった青いすそと、あか扱帯しごきと、脂臭やにくさい吸いつけ煙草を憶起おもいおこすと、憶起す要はないのに、独りで恥しくなって
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その日は夏の晴天で、脂臭やにくさ蘇鉄そてつのにおいが寺の庭に充満しているころだったが、例の急な石段を登って、山の上へ出てみると、ほとんど意外だったくらい、あの大理石の墓がくだらなく見えた。
樗牛の事 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
爺さんは安煙草の脂臭やにくさい口をして言つた。