“やすつな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
安綱66.7%
泰綱33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
躑躅つつじさきの古屋敷で、酒乱の神尾主膳に脅迫きょうはくされた時、伯耆ほうき安綱やすつなの名刀を抜いて迫りきたる神尾主膳、それを逃れて走り下りた二階の階段、そこには善悪邪正いずれとも判別しかねる人がいた。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「これは伯耆ほうき安綱やすつなという古刀中の古刀、名刀中の名刀じゃ」
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「狂語と聞くなら、狂語と聞け。だが、わしの亡妻は、さきの鎌倉の執権代しっけんだいの長崎高資の兄、泰綱やすつなのむすめじゃった。内管領うちかんりょうの円喜入道とも、浅からぬ肉親にあたる」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、六波羅の評定衆に加えられ、その才はほどなく、鎌倉の執権代しっけんだい長崎高資ながさきたかすけの一族泰綱やすつなにみとめられた。そして泰綱のむすめを妻にもらった。まぎれもない彼は北条眷属けんぞくの一人であった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)