“ももぞの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
桃園66.7%
桃薗33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
前々将軍家時代から久しく営裡えいりに権勢をふるッていましたが、お代がわり以来、風向きがよくないので、早くも身を退く汐時しおどきと感じて、中野桃園ももぞのに隠邸をしつらえて、その日
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戸外そとには霧のような雨が降っていた。庭へおりると婢がさきにたって後園の方へ往った。其処には桃園ももぞのがあって、青葉の葉陰に小さな実の見えるその樹の一株に青い紐を懸けて縊死いししている者があった。
竇氏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
嵯峨の狐は牛車ぎつしやに化ける。高陽川かやがはの狐はわらはに化ける。桃薗ももぞのの狐は大池に化け——狐の事なぞはどうでもい。ええと、何を考へてゐたのだつけ?
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)