“みなれざお”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
水馴棹77.8%
水馴竿22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
菊王の手の水馴棹みなれざおが、水の中で、ぶるとふるえた。もすこし、男のことばの裏に何かがひそんでいたら、一さつの水玉と共に、棹は、相手を河へ叩き落していたかも知れない。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伏鐘の三羽烏といわれる毛抜の音、阿弥陀の六蔵、駿河の為と、この三人はもちろん、船頭に化けて水馴棹みなれざおをつかっていた一味十二人、そのままそっくりこっちの網に入りました
毎夜のように密貿易ぬけがいの船頭が入り込み、船澗ふなまへけしからぬ水馴竿みなれざおを振込むのを知らずにいるようでは、たいした器量人と思えない
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
春水しゅんすいが手錠はめられ海老蔵えびぞうは、お江戸かまひの「むかし」なら、わしも定めし島流し、すずりの海の波風に、命の筆の水馴竿みなれざお、折れてたよりも荒磯の、道理引つ込む無理の世は、今もむかしの夢のあと
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)