“まつがえ”の漢字の書き方と例文
語句割合
松枝100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
膝にきたる骨太の掌指ゆびは枯れたる松枝まつがえごとき岩畳作りにありながら、一本ごとに其さへも戦〻わな/\顫へて一心に唯上人の一言を一期いちごの大事と待つ笑止さ。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
土人一に馬鹿谷ばかだにといふ。城主より撫院迎接の為に山上に茶亭を作る。皆松枝まつがえ青葉をつかね樊籬屋店はんりをくてんを作る。欽明寺坂を下りて四里久賀本郷駅なり。駅の南に嵯峨として聳たる嶺見ゆ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
流石けがすに忍びでや、墨染の衣は傍らの松枝まつがえに打ち懸けて、身に纏へるは練布の白衣、脚下に綿津見わたつみの淵を置きて、刀持つ手に毛程の筋の亂れも見せず、血汐ののりまみれたる朱溝しゆみぞの鞘卷逆手さかてに握りて
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)