“ほそまき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
細巻40.0%
細捲40.0%
細薪20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金縁きんぶち眼鏡をかけて、細巻ほそまきを用意した男もあった。独法師ひとりぼっちのお島は、草履や下駄にはねあがる砂埃すなぼこりのなかを、人なつかしいような可憐いじらしい心持で、ぱっぱと蓮葉はすはに足を運んでいた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
端艇が浜へついたとき、かけわたされた船板から、四五人の男女が上陸して来たが、その中に旧式なパナマを冠つて、小さい手提鞄てさげかばん細捲ほそまきとをもつて、肥満した老人が一人こつちへ遣つて来た。
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
女房は炉のそばに突立って、薪架まきだいの上にあかく燃えてパチパチねる細薪ほそまきをば、木履サボのつまさきで蹴かえしながらしきりに何か話しかけたが、男はむっつり黙りこんでいて滅多に返事もしない。
生さぬ児 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)