“へきけつ”の漢字の書き方と例文
語句割合
碧血100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
百年碧血へきけつうらみって化鳥けちょうの姿となって長くこの不吉な地を守るような心地がする。吹く風ににれの木がざわざわと動く。見ると枝の上にも烏がいる。しばらくするとまた一羽飛んでくる。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さすがに顔をそむけました。便所寄りの戸袋の傍、一枚開けた雨戸の中には、碧血へきけつに染んだお咲の薄雲が、虚空をつかんだ形で死んでいるのです。
楠公一族が、忠烈な碧血へきけつをもって苔と咲かせた摂河泉せっかせんの石を、湊川みなとがわまで運ばせて、大きな碑を建てよう——という計画であるらしくうかがわれた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)