“ふなぞこまくら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
船底枕83.3%
舟底枕16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女は産に間もない大きな腹を苦しそうに抱えて、朱塗しゅぬり船底枕ふなぞこまくらの上に乱れた頭を載せていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
刎返はねかえした重い夜具へ背をよせかけるように、そして立膝たてひざした長襦袢ながじゅばんの膝の上か、あるいはまた船底枕ふなぞこまくらの横腹に懐中鏡を立掛けて、かかる場合に用意する黄楊つげ小櫛おぐしを取って先ず二、三度
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
其処には舟底枕ふなぞこまくらがひっくり返っている。其処には貸本の小説や稽古本けいこぼんが投出してある。寵愛の小猫が鈴を鳴しながら梯子段はしごだんあがって来るので、みんなが落ちていた誰かの赤いしごきを振ってじゃらす。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)